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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス B.器械的検査法 ■尿道ブジー 【尿道ブジー】

29.尿道狭窄術後の尿道ブジーの方法,間隔について教えて下さい。

著者: 中本貴久1

所属機関: 1広島市立安佐市民病院泌尿器科

ページ範囲:P.107 - P.109

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1 はじめに

 尿道狭窄は,一般的に前部尿道の瘢痕化による内腔の減少を意味し,留置カテーテルや淋菌性尿道炎に起因する炎症性のもの,経尿道的手術後のもの,外傷によるもの,ならびに原因不明のものがある。これに対して後部尿道の狭窄は,通常,尿道狭窄の定義には含まれず,外傷や前立腺全摘除術後に生じる1)。前部尿道狭窄は,主として内尿道切開術で安全に加療されるが,完全閉塞や狭窄の距離の長い例では開創手術による尿道形成術が考慮される。一方,後部尿道狭窄は開創手術による尿道形成術が行われてきたが,エンドウロロジーの進歩により骨盤外傷に伴う後部尿道の完全断裂に対しても内尿道切開術の延長線上に内視鏡的尿道形成術を行うことも可能である。

 これらの尿道狭窄術後の尿道ブジーは,瘢痕形成と再狭窄を予防する目的で行われ,新しい瘢痕形成を起こすことなく瘢痕を伸展させることが重要である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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