臨床泌尿器科60巻4号

2006年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス D．尿路機能検査法 ■腎盂・尿管機能検査 【ウィタカー試験】

45．ウィタカー試験の適応と具体的な方法について教えて下さい。

著者： 野口満¹

所属機関： ¹長崎大学医歯薬学総合研究科腎泌尿器病態学

ページ範囲：P.155 - P.157

1　概　念

　ウィタカー試験は尿路閉塞による水腎症の質的診断のために行われる^1）。なかでも，腎盂尿管移行部狭窄症による水腎症に対する評価法と考えてよい。水腎症の評価には，超音波エコー，CT，腎盂造影，利尿レノグラムなどがあるが，超音波エコーによる経時的評価が最も非侵襲的であり，ウィタカー試験が最も侵襲性がある検査といえる。現在では，利尿レノグラムによる尿路閉塞の評価が主流となっているが，ウィタカー試験は水腎症における尿流力学的検査であり，ほかの検査による評価では得られない情報を得ることができる。

　本検査は，経皮腎瘻より順行性に生理食塩水を一定流量で注入し，腎盂内圧を測定していく。このとき，膀胱内圧も同時に測定し，測定された腎盂内圧から膀胱内圧を減じた値で尿路の閉塞の有無を評価する。

参考文献

1）Whitaker RH：Methods of assessing obstruction in dilated ureters. Brit J Urol 45：15-12, 1987

2）伊藤和夫：水腎症．玉木長良（編）：臨床腎臓核医学．メディカルレビュー社，pp57-60，1997

3）Whitaker RH, Buxton-Thomas MS：A comparison of pressure flow studies and renography in equivocal upper urinary tract obstruction. J Urol 131：446-449, 1984

4）Krueger RP, Ash JM, Silver MM, et al：Primary hydronephrosis：Assessment of diuretic renography, pelvic perfusion pressure, operative findings, and renal and ureteral history. Urol Clin Am 7：231, 1980