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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス E.X線検査法 【CT】

58.CT検査の適応,方法,基本的読影法について教えて下さい。

著者: 鞍作克之1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学

ページ範囲:P.193 - P.196

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1 はじめに

 CT(computed tomography)の基本的な原理は,X線管球を人体の周囲で移動させながら,多くの方向よりX線を照射し,検出器でX線強度分布を測定する。次に測定したデータをコンピュータで処理し,画像を再構築することにより人体の断層像を得る。CTの特徴としてCT値(Hounsfield unit)により組織の組成を正確に判断することが可能である(表1)。すなわち,体内の構成物質をX線吸収値の違いにより識別することが可能であり,造影剤を使用しない単純CTにおいても骨や結石などの石灰化,出血,筋肉,尿や腹水,胸水などの水成分,脂肪組織,空気を鑑別することができる。

 泌尿器領域における一般的なCT検査の適応については,腎,副腎などの腹部領域では超音波検査に引き続きCTが施行される場合が多く,膀胱,前立腺などの骨盤では逆に超音波検査のあとMRIが施行される傾向にある。本稿では,臓器別にCTの適応,読影法について概説する。

<注意点>

 造影剤を使用する場合,常にショックなど副作用の可能性を念頭に置くことが必要である。ヨード造影剤の副作用は一般に注入後早期に起こることが多く,造影剤注入早期の患者の観察が重要である。また,発疹などの遅発性の副作用が検査終了後に起こることもあり,十分な患者への説明が必要である1)

参考文献

1)Yamaguchi K, Katayama H, Takashima T, et al:Predic-tion of severe adverse reactions to ionic and nonionic contrast media in Japan:evaluation of pretesting. A report from the Japanese Committee on the Safety of Contrast Media. Radiology 178:363-367, 1991
2)高橋 哲,鳴海善文:Multidetector-row CT for renal tumor.日独医報49:344-355,2004
3)Suh M, Coakley FV, Qayyum A, et al:Distinction of renal cell carcinomas from high-attenuation renal cysts at portal venous phase contrast-enhanced CT. Radiology 228:330-334, 2003
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5)陣崎雅弘:Multidetector-row CT of upper urinary tract.日独医報49:374-381,2004
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8)Triantopoulou C, Rizos S, Bourli A, et al:Localized unilateral perirenal fibrosis:CT and MRI appearances. European Radiology 12:2743-2746, 2002
9)Vining DJ, Zagoria RJ, Liu K, et al:CT cystoscopy:an innovation in bladder imaging. AJR 166:409-410, 1996
10)Fenlon HM, Bell TV, Ahari HK, et al:Virtual cystoscopy:early clinical experience. Radiology 205:272-275, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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