icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス F.MRI 【MRI】

61.MRIの適応と禁忌,方法,基本的読影方法について教えて下さい。

著者: 津ケ谷正行1 伊藤尊一郎1 遠藤純央1

所属機関: 1豊川市民病院泌尿器科

ページ範囲:P.206 - P.209

文献購入ページに移動
1 MRIの適応と禁忌

 任意の断層像を撮影できることがMRIの利点とされていた。しかし,近年,急速に普及しているマルチスライスCT(多列検出型CT)は任意の断層像を比較的簡単に得ることができ,しかも高速撮影が可能であることから,造影すれば血管や尿路を明瞭に描出でき,MRアンギオグラフィ(MRA)やMRウログラフィを凌駕している。MRウログラフィでは尿の停滞のない正常な尿路の描出は不明瞭となるが,逆に水腎・水尿管症が高度で造影されないような腎盂・尿管を造影せずに明瞭に描出できることが利点である1)(図1)。またMRIでは副作用のきわめて少ない造影剤(Gd-DTPA)の使用によってCTにおけるヨード系造影剤とほぼ同様の造影効果や腎における排泄を捉えることができる1)。MRIの大きな欠点は,高速撮影ができるようになったものの,CTに比べて撮影時間が長いため呼吸や体動によるアーチファクトで不良な画像となることである2)

 結石や石灰化はMRIでは無信号となり,CTでは小さな結石も明瞭に描出でき,尿路結石ではCTが優位である3)

参考文献

1)長谷川倫男:泌尿器科領域におけるMRI.泌尿器外科14:285-290,2001
2)津ケ谷正行:CT/MRI.生駒文彦(監),川村 猛,小柳知彦(編):小児泌尿器科学書.金原出版,東京,pp76-85,1998
3)津ヶ谷正行,伊藤尊一郎,梅本幸裕:基本的診断法,画像診断.Medicina 35:1159-1163,1988
4)津ケ谷正行,伊藤尊一郎,永田大介,他:泌尿器科画像診断.基本的な検査―手技と診断のポイント.MRI検査.臨泌53(増刊):119-125,1999
5)杉村和朗:前立腺疾患のMRI.直腸内コイルによる診断.臨泌51:483-489,1997
6)津ケ谷正行,加藤 誠,丸山哲史,他:前立腺疾患’96.前立腺癌.CT,MRI診断.臨泌50(増刊):174-177,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら