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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス F.MRI 【MRI】

65.泌尿器科領域において,MRIがCTなどそのほかの検査法に比べて優れている点は何ですか。MRIで診断率が上がる,あるいはMRIでしかわからないことがあれば教えて下さい。

著者: 江左篤宣1

所属機関: 1NTT西日本大阪病院泌尿器科

ページ範囲:P.222 - P.223

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1 はじめに

 CTはX線が生体を通過する際のX線減弱の分布を観察するもので,組織を構成する物質の原子番号とその密度に依存する。それに対し,MRIは生体内の水と中性脂肪を構成する水素原子とその密度に依存する。「CTとMRIの画像は似て非なるもの」といわれるゆえんである。

 近年,CTにおいては,single-detector helical CT(SDCT)やmultidetector-row CT(MDCT)の出現により,空間分解能・時間分解能が飛躍的に向上し,短時間に数種類の造影位相の異なる三次元像が撮像可能になった。血管系の評価では血管造影やMR angiography(MRA)からCT angiography(CTA)に移行しつつあり,またCT urography(CTU)は腸管内のガスの重なりがなく,排泄性尿路造影(IVP)よりも明瞭な尿路像を得ることができるようになった。空間分解能はCT画像に劣るが,密度分解能に優れるMRI画像は,泌尿器科領域において,腎では皮質と髄質の分離,特に呼吸性移動の少ない膀胱では粘膜・粘膜下層と筋層の分離,前立腺では移行域と辺縁域の分離した画像が得られ,依然として評価が高い。尿路系においては腎機能に依存することなく形態を評価でき,ヨード過敏症例にも適応できる利点もある。

 本稿では,主な泌尿器科領域の病変別にMRIとCTの有用性を比較検討する。

参考文献

1)戸上 泉,津野田雅敏,矢吹隆行,他:泌尿器画像診断のすべて.腎・副腎・後腹膜MRI.臨床放射線47:1223-1234,2003
2)田嶋 強,本田 浩,吉満研吾,他:泌尿器画像診断のすべて.後腹膜疾患,後腹膜腫瘍,後腹膜線維症など.臨床放射線47:1429-1450,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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