臨床泌尿器科60巻4号

2006年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス H．超音波診断法 ■各種の走査法 【経皮的走査法，体腔内走査法】

73．経皮的走査法，経直腸的走査法，経尿道的走査法のポイントおよび注意点について教えて下さい。

著者： 西村憲二¹

所属機関： ¹兵庫県立西宮病院泌尿器科

ページ範囲：P.256 - P.259

1　はじめに

　超音波検査は非侵襲的であり，簡便に実施できる有用な検査法である。その走査法には皮膚表面にプローべを当てて行う経皮的走査法や体腔内にプローべを挿入して行う体腔内走査法があり，用途に応じて使い分けられている。泌尿器科では膀胱や前立腺において経皮的，経直腸的，経尿道的走査法が行われているが，それぞれ長所，短所があり，その特徴をよく理解して施行する必要がある。本稿では膀胱，前立腺の病変を中心にこれら走査法のポイントや注意点に関して考察する。

参考文献

1）牛山和己：5．膀胱腫瘍，6．腎・副腎・尿路，消化器の超音波診断，第Ⅳ章：各種疾患の超音波診断と鑑別．臨床消化器内科11：245-249，1996

2）Holm HH, Northeved A：A transurethral ultrasonic scanner. J Urol 111：238-241, 1974

3）中村昌平，新島端夫：管腔臓器の壁病変に対する内視鏡的超音波断層法―膀胱への臨床応用と三次元解析．日超医論文集34：193-194，1978

4）Koraitim M, Kamal B, Metwalli N, et al：Transurethral sonographic assessment of bladder carcinoma：its value and limitation. J Urol 154：375-378, 1995

5）浮田信明：子宮頸癌膀胱浸潤に対する経尿道的ラジアル走査の応用．産婦中四会誌40：235-242，1992

6）Norberg M, Haggman M, Andersson T, et al：Evaluation of localized prostate cancer：a comparative study of transrectal ultrasonography versus histo-pathology. Eur Radiol 3：166-173, 1993

7）平沢　潔：経尿道的超音波断層法による前立腺癌の浸潤度判定．日泌尿会誌82：1067-1073，1991