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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス H.超音波診断法 ■各種臓器の超音波診断 【前立腺】

80.前立腺体積を測定する際のコツを教えて下さい。また,経腹壁的測定法と経直腸的測定法ではどちらが有用でしょうか。

著者: 野田賢治郎1

所属機関: 1東京医科大学八王子医療センター泌尿器科

ページ範囲:P.281 - P.283

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1 はじめに

 前立腺疾患の診療において,体積を把握することは重要である。前立腺肥大症の領域別重症度判定基準1)(表1)や領域別治療効果判定基準2)(表2)の1項目として前立腺体積が含まれている。また,前立腺癌では,診断効率向上目的のPSA関連マーカーであるPSA densityなどを算出する際に体積が必要となる。超音波断層法を用いた前立腺体積の測定方法として,経腹壁的測定法と経直腸的測定法がある。後者は詳細な内部構造の観察に優れている。前立腺肥大症診療ガイドライン1)では,形態観察および体積測定に主眼をおいているために経腹壁的および経直腸的測定法の両者を推奨しているのに対し,前立腺癌取扱い規約3)では,癌の局在診断が主たる目的となるために経直腸的測定法を推奨している。

 前立腺超音波診断の基本的読影法は他稿を参照していただき,本稿では経腹壁的および経直腸的超音波断層診断法での体積測定の方法について述べる。

参考文献

1)大島伸一,西澤 理,平尾佳彦,他:EBMに基づく前立腺肥大症診療ガイドライン.じほう.p17,2001
2)排尿障害臨床試験ガイドライン作成委員会(編):排尿障害臨床試験ガイドライン.医学図書出版,p14,1997
3)日本泌尿器科学会,日本病理学会(編):前立腺癌取扱い規約.第3版.金原出版,2001
4)難波正博,伊藤隆志,澁澤悦子,他:経腹的超音波検査における前立腺計測法の比較検討.超音波検査技術30:25-32,2005
5)Nathan MS, Seenivasagam K, Mei Q, et al:Transrectal ultrasonograhy:why are estimates of prostate volume and dimension so inaccurate. Br J Urol 77:401-407, 1996
6)Terris MK, Stamy TA:Determination of prostate volume by trans rectal ultrasound. J Urol 145:984-987, 1991
7)Styles RA, Neal DE, Powell PH:Reproducibility of measurement of prostatic volume by ultrasound. Comparison of transrectal and transabdominal methods. Eur Urol 14:266-269, 1988
8)Chung HF, Vries SH, Raaijmakers R, et al:Prostate volume ultrasonography:The influence of transabdominal versus transrectal approach, device type and operator. Eur Urol 46:352-356, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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