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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス H.超音波診断法 ■超音波ドプラ 【超音波ドプラ】

82.超音波ドプラ検査の適応および有用性,臨床的意義について教えて下さい。

著者: 大森聡1 近田龍一郎1 藤岡知昭1

所属機関: 1岩手医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.288 - P.292

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1 はじめに

 超音波カラードプラ法やパワードプラ法の登場により従来では困難だった低速の血流が検出できるようになり,その血流動態の解析から形態的異常の診断に加えて病態,機能を評価する試みが行われるようになってきた。

 泌尿器科領域における超音波ドプラ法の臨床応用としては,(1)腫瘍性病変の診断1,2),(2)急性陰囊症の鑑別診断3),(3)移植腎の拒絶反応・急性腎不全,慢性腎不全の腎機能評価4~6),(4)尿流の評価を用いたウロダイナミクス7,8),(5)勃起障害に対する陰茎血流の評価9)など多岐にわたる報告がなされている。

 このうち,腎機能評価やウロダイナミクス,勃起機能評価などは限られた施設での報告にとどまり,一般泌尿器科領域における日常診療のなかでドプラ超音波がその有用性を発揮するのは,(1)腫瘍性病変の診断(特に腎腫瘤性病変の鑑別診断),(2)急性陰囊症の鑑別診断であろうと思われる。

参考文献

1)Jinzaki M, Ohkuma K, Tanimoto A, et al:Small solid renal lesions:Usefulness of power Doppler US. Radiology 209:543-550, 1998
2)澤村良勝:泌尿器科領域におけるカラードプラ法の応用.泌尿器外科11(臨増):331-334,1998
3)澤村良勝:陰囊内容.泌尿器外科7:339-344,1994
4)戸塚大輔,朴 正祐,杉崎徹三,他:超音波ドプラ断層法による各種腎疾患と腎区域動脈,葉間動脈血流速度に関する研究―クレアチニンクリアランスとの相関を中心にして.超音波医学17:672-679,1990
5)細島弘行:腎血管抵抗と加齢.臨床検査45:377-382,2001
6)渡辺 泱,斉藤俊彦,斉藤雅人,他:超音波カラードプラ法の医学的応用.泌尿器外科7:213-218,1994
7)Ding YY, Ozawa H, Yokoyama T, et al:Reliability of color Doppler ultrasound urodynamics in the evaluation of bladder outlet obstruction. Urology 56:967-971, 2000
8)斉藤雅人:ウロダイナミクスへの応用.泌尿器外科7:329-334,1994
9)瀧原博史,内藤克輔:陰茎(インポテンス).泌尿器外科7:345-350,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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