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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス K.内分泌機能検査法 【間脳-下垂体-副腎皮質系の内分泌機能検査】

94.間脳-下垂体-副腎皮質系の内分泌機能検査の適応と方法,注意点について教えて下さい。

著者: 鈴木啓悦1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院泌尿器科学

ページ範囲:P.333 - P.336

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1 間脳-下垂体-副腎皮質系とは

 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(corticotropin-releasing hormone:CRH)は視床下部室傍核で産生される41個のアミノ酸からなるポリペプチドである。CRHは下垂体門脈を経て下垂体前葉に送られ,副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone:ACTH)の合成・分泌を促進する1)。なお,CRHは視床下部以外の大脳辺縁系などの脳組織や脳以外の組織(副腎,膵臓,精巣,胎盤など)でも産生され,ACTH分泌作用のほか性腺系,消化器系,免疫系などへの作用も認められる。

 ACTHは副腎皮質からの糖質コルチコイドの分泌を刺激するが,CRH,ACTHの分泌は糖質コルチコイドによってnegative feedbackを受ける2)。また,ACTHは思春期以降は副腎アンドロゲン(DHEA-S)の分泌を促進する。アルギニンバソプレシンやカテコラミンにもACTH分泌作用があるが,CRHのACTH分泌作用が最も強力である。

参考文献

1)奈須下亮:副腎皮質刺激ホルモン(ACTH).日本臨床増刊・広範囲 血液・尿化学検査,免疫学的検査(第6版)―その数値をどう読むか.199-201,2005
2)奈須下亮:副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH).日本臨床(増刊)・広範囲 血液・尿化学検査,免疫学的検査(第6版)―その数値をどう読むか.202-203,2005
3)柳瀬敏彦:コルチゾール,コルチゾン,尿中遊離コルチゾール.日本臨床(増刊)・広範囲 血液・尿化学検査,免疫学的検査(第6版)―その数値をどう読むか.303-306,2005
4)市川智彦,小宮 顕,鈴木啓悦,他:副腎皮質癌の治療法とその予後.内分泌外科16:183-188,1999
5)Suzuki H:Laparoscopic adrenalectomy for adrenal carcinoma and metastases. Curr Opin Urol(inpress)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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