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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻6号

2006年05月発行

文献概要

交見室

本誌第60巻1号「交見室」の神保進先生へ

著者: 上村博司1

所属機関: 1横浜市立大学附属病院泌尿器科

ページ範囲:P.429 - P.429

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 本誌第60巻1号「交見室」の「頻回のカテーテル閉塞でお悩みの先生方へ」の記事を興味深く拝読いたしました。腎瘻カテーテルの慢性閉塞がアンジオテンシンⅡ受容体ブロッカー(ARB)で改善したことは,思いがけないARB効果の発見に感心したのと同時に,ARBの薬理作用を考えるうえで納得のいく事象であると思いました。

 私たちは,やはり数年前からARBが再燃前立腺癌患者に効果がある(PSA低下や全身状態の改善など)ことを報告してきました。その機序は,再燃癌組織にアンジオテンシンⅡレセプターが強く発現しており,ARBを投与することによって癌細胞の増殖を抑制あるいは静止することが考えられています。再燃癌患者は全身が癌細胞に侵襲され,常に強い炎症に曝されている状態です。実は,ARBは抗炎症作用があり,炎症性のサイトカインやケモカインの産生を抑制することが知られています。

参考文献

1)Uemura H, Nakaigawa N, Ishiguro H, et al:Antiproliferative efficacy of angiotensinⅡ receptor blocker for prostate cancer. Curr Cancer Drug Targets 5:307-323, 2005
2)Uemura H, Ishiguro H, Nagashima Y, et al:Antiproliferative activity of angiotensinⅡ receptor blocker through cross-talk between stromal and epithelial prostate cancer cells. Mol Cancer Ther 4:1699-1709, 2005
3)上村博司,窪田吉信:アンジオテンシンⅡ受容体ブロッカーの理論と効果.Urology View 4:50-53,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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