icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻7号

2006年06月発行

原著

脊髄損傷患者における夜間尿量の臨床的検討

著者: 服部桂子1 林博文1 渡辺岳志1 田中克幸1

所属機関: 1神奈川リハビリテーション病院泌尿器科

ページ範囲:P.477 - P.480

文献概要

 当院入院中の脊髄損傷患者の夜間尿量を検討した。対象は2004年3月から6月に入院中の脊髄損傷患者44例,年齢は平均46.9歳(中央値44.5歳),男性41例,女性3例,平均観察期間12.6日,利尿に影響を及ぼす合併症がある症例は除外した。麻痺レベル,受傷・発病後経過期間,その他関係因子について検討した。受傷・発病後経過期間が10か月以内の回復期症例では夜間排尿率(夜間尿量/1日尿量)は慢性期群,健常者群と比較し有意に高いという結果を得た。早期・回復期に夜間尿量増加に伴い夜間導尿を余儀なくされる症例も,長期経過に伴い就寝中の導尿から離脱できる可能性はおおいにあると考えられた。

参考文献

1)Szollar SM, Dunn KL, Brandt S, et al:Nocturnal polyuria and antidiuretic hormone levels in spinal coed injury. Arch Phys Med Rehabil 78:455-458, 1997
2)Kilinc S, Akman MN, Levendoglu F, et al:Diunal variation of antidiuretic hormone and urinary output in spinal cord injury. Spinal Cord 37:332-335, 1999
3)Kooner JS, Edge W, Frankel HL, et al:Heamo-dynamic, hormonal and urinary responses to postur-al change in tetraplegic and paraplegic men.
4)Sved AF, McDowell FH and Blessing WW:Release of antidiuretic hormone in quadriplegic subjects in response to head-up tilt. Neurology 35:78-82, 1985
5)Krum H, Louis WJ, Brown DJ, et al:Diurnal blood pressure variation in quadriplegic chronic spinal cord injury patients. Clin Science 80:271-276, 1991
6)酒井麻衣子,仙石 淳:頸髄損傷患者における夜間尿量について.日本脊髄障害医学会雑誌18:226-227,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら