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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻11号

2007年10月発行

原著

非泌尿器科医に対する過活動膀胱診療に関するアンケート調査

著者: 新保斉1 今西武志1 大塚篤史2 栗田豊2 大園誠一郎2

所属機関: 1JA静岡厚生連遠州病院泌尿器科 2浜松医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.911 - P.916

文献概要

 静岡県内の非泌尿器科医に対し過活動膀胱(以下,OAB),OAB診療ガイドライン(以下,OAB-GL)の認知度,OAB診療の実際とその問題点についてアンケート調査を行った。71%の医師が頻尿の診療を経験し,そのほとんどで抗コリン剤が使用されていた。OABの定義を理解しているのは45%であったが,OAB-GLを読んだことがあるのは19%にとどまった。OAB診療の実施に関しては,OAB,OAB-GLの認知度が高いほどガイドラインでの推奨項目の実施率が高かったが,残尿測定は2割程度のみで実施されているにすぎなかった。OAB診療での問題点として挙げられたのは残尿測定が最も多かった。OAB,OAB-GLのさらなる浸透による適正なOAB治療の普及,残尿測定の普及が必要と考えられた。

参考文献

1)日本排尿機能学会過活動膀胱ガイドライン作成委員会(編):過活動膀胱診療ガイドライン.Blackwell Publishing,東京,2005
2)泌尿器科領域の治療標準化に関する研究班(編):前立腺肥大症診療ガイドライン.じほう,東京,2001
3)後藤百万,松川宜久,加藤真史,他:前立腺肥大症診療ガイドラインのコンプライアンス(認知・利用度)の調査.泌尿紀要 51:708,2005
4)長谷川友紀:診療ガイドラインをどのように評価するか.EBMジャーナル 4:262-270,2003
5)Committee on Quality of Health Care in America, Institute of Medicine:Crossing the quality chasm:A new health system for the 21st century. National Academy press, Washington DC, 2001
6)The AGREE Collaboration:Development and validation of an international appraisal instrument for assessing the quality of clinical practice guidelines:The AGREE project. Qual Saf Health Care 12:18-23, 2003
7)長谷川友紀:AGREE Collaborationの動向.EBMジャーナル 4:294-297,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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