臨床泌尿器科61巻11号

2007年10月発行

症例

術前診断が可能であった腎浸潤性尿路上皮癌

著者： 舟橋康人¹ 上平修¹ 磯部安朗¹ 木村恭祐¹ 佐々直人¹ 松浦治¹

所属機関： ¹小牧市民病院泌尿器科

ページ範囲：P.917 - P.919

　症例は63歳，男性。肉眼的血尿にて初診した。左上部尿路からの出血とわかったが，逆行性腎盂造影，尿管鏡下生検にても診断に至らず。造影CTにてリンパ節転移を伴う腎浸潤性尿路上皮癌との診断を得た。腎尿管全摘，術後化学療法にて3年現在，再発の徴候を認めていない。

参考文献

1）藍沢茂雄，他：取り扱い規約に沿った腫瘍鑑別アトラス―腎臓．腎浸潤性移行上皮癌．文光堂，東京：81-85，1994

2）増田富士男，鈴木博雄，白川　浩：浸潤性腎盂癌の画像診断―腎細胞癌との鑑別が問題であった腎盂癌．臨床画像 7：92-95，1991

3）松崎　理：鑑別しにくい腎癌―腎浸潤性移行上皮癌．病理と臨床 17：184-185，1997

4）鈴木九里，西見大輔，柳下次雄，他：結石性膿腎症と鑑別が困難であった腎浸潤性移行上皮癌．臨泌 58：225-228，2004

5）漆原正泰，駒井好信，森本信二，他：拡大手術を施行した腎浸潤性移行上皮癌．臨泌 59：75-77，2005

6）魚住二郎，井川幹夫，岡村知彦，他：腎盂尿管腫瘍における化学療法の意義．西日泌尿 56：616-621，1994