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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻11号

2007年10月発行

小さな工夫

前立腺全摘後のカテーテル抜去困難を回避するための尿道膀胱吻合の工夫

著者: 影山幸雄1 石岡淳一郎1 東四雄1

所属機関: 1埼玉県立がんセンター泌尿器科

ページ範囲:P.930 - P.931

文献概要

 当院では前立腺全摘の際,肛門挙筋筋膜を含む骨盤底の筋膜構造を全体として温存する方法をとっており,手術直後の尿禁制は著しく改善している1,2)。一方で尿道膀胱吻合の縫合糸がカテーテルにからんで抜去困難となる例が少なからずあり,自然抜去まで1か月近くかかった症例もみられていた。これまでは,膀胱および尿道に縫合糸(6針)をかけた後にカテーテルを留置し,その後カテーテルを牽引しながら縫合糸を結紮する方法をとってきた。今回はカテーテル抜去困難を回避する目的で金属ブジーの補助下に先に尿道膀胱吻合を行い,その後にフォーリーカテーテルを挿入留置する方法を採用し,良好な結果を得たので紹介する。

 まず膀胱尿道に縫合糸(6針)をかけ,カテーテルを入れない状況で5時,7時を縫合,その後尿道より金属ブジーを挿入して3時,9時,1時,11時の糸を順次縫合する(図1)。その後金属ブジーは抜去し,尿道から18Frのフォーリーカテーテルを挿入留置する(図2)。

参考文献

1)影山幸雄,木原和徳,小林 剛,他:前立腺全摘における静脈処理および筋膜温存の改良―骨盤底筋膜群(Pelvic floor fascia complex)温存および背静脈群個別結紮法.Audio-Visual Journal of JUA 11:3,2005
2)影山幸雄,木原和徳:骨盤底筋膜群温存前立腺全摘―術後尿禁制および勃起機能保持の改善.泌尿器外科 19:797-802,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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