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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻13号

2007年12月発行

文献概要

特集 泌尿器科救急

尿閉

著者: 長尾一公1 内藤克輔1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学分野

ページ範囲:P.1107 - P.1111

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要旨 尿閉とは膀胱内に貯留した尿の自排が困難な状態であり,尿閉に対する処置は,膀胱内の尿を体外へ排出させる操作(導尿,膀胱瘻造設など)を行うことである。1,000ml以上の導尿を行う際には,導尿に伴う血圧低下に対し,血圧・脈拍のモニタリングおよび血管ルートの確保を行い,導尿後は輸液による適切な体液量と電解質バランスの管理を行う。基本的に,尿閉に対しては原因検索よりも尿流出路の確保が優先されるため,尿道からのカテーテル挿入が困難な場合には,無理な操作は行わずに膀胱瘻を造設し,尿道の状態を正確に診断した後に治療法を考慮すべきである。尿閉に対する処置は,泌尿器科医が習得しておかなければならない基本的手技である。

参考文献

1)吉田 修(編):ベッドサイド泌尿器科.改訂第3版.南江堂,東京,p85,2000
2)伊藤一人:急性尿路閉塞,尿閉.Urology View 4:93-97,2006
3)Carter HB and Chan DY:Basic instrumentation and cystoscopy. In:Campbell-Walsh Urology. 9th ed. edited by Wein AJ, et al. Saunders Elsevier, Philadelphia, pp161-164, 2007
4)井口裕樹,那須保友:膀胱穿刺・膀胱瘻造設術.臨泌 56(増刊号):108-111,2002
5)荒井陽一,松田公志(編):泌尿器科周術期管理のすべて.メジカルビュー社,東京,pp408-412,2004
6)石戸谷滋人,金藤博行,福崎 篤:閉塞性腎症の基礎と臨床.日泌尿会誌 94:645-655,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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