臨床泌尿器科61巻2号

2007年02月発行

手術手技 腹腔鏡下手術時代における開放手術・2

単純腎摘除術

著者： 高橋義人¹ 中根慶太¹ 横井繁明²

所属機関： ¹岐阜県総合医療センター泌尿器科 ²岐阜大学大学院医学系研究科泌尿器科学分野

ページ範囲：P.117 - P.124

文献概要

要旨：単純腎摘除術の適応は，腎摘除術を必要とする良性腎疾患である。尿路結石症，上部尿路狭窄症などによる萎縮腎であることが多く，慢性腎盂腎炎の既往を有することも多い。その結果，腎周囲，腎門部の癒着は高度である。血管の処理，剝離面など悪性腫瘍の腎摘除術よりも複雑で，技術的難易度は高い。近接する後腹膜臓器の損傷を回避するためにも，腎周囲の剝離層は重要である。これに留意したわれわれの行っている方法を概説した。

参考文献

1）日本Endourology・ESWL学会ホームページ：http://square.umin.ac.jp/jsee

2）Novick AC and Campbell SC：Renal tumors. In：Campbell's Urology. ed by Walsh PC, et al. 8th ed. Vol. 4, Chapt. 75, pp 2672-2731, 2002

3）Aizenstein RI, Owens C, Sabnis S, et al：The perinephric space and renal fascia：Review of normal anatomy, pathology, and pathways of disease spread. Crit Rev Diagn Imaging 36：325-367, 1997

4）Bartsch G and Poisel S：Approaches in Urological Surgery. Georg Thime Verlag, Stuttgart, New York, 1994

5）高橋義人，横井繁明：後腹膜鏡下腎尿管手術を安全に行うために．臨泌 59：643-648，2005

6）田島政晴：腎摘除術―後腹膜到達法．臨泌 58：39-43，2004