文献詳細
症例
文献概要
症例は74歳,女性。発熱,右側腹部痛を主訴に来院し,腎盂腎炎の診断にて入院となった。保存的加療にて改善がみられない腎膿瘍と診断し,右腎摘除術を施行した。術後も発熱,疼痛が続き,腎摘後10日目に下肢の神経症状が出現した。脊椎疾患を疑いMRI検査を施行したところ,腰椎椎間板を中心に炎症所見を認め,化膿性脊椎炎と診断された。比較的稀な疾患であるが,尿路系疾患に併発することが多いとされており,泌尿器科医が十分に認識しておくべき疾患であると思われた。
参考文献
1)Genster H and Andersen MJF:Spinal osteomyelitis complicating urinary tract infections. J Urol 107:109-111, 1972
2)佐藤伸二,市木康久,木下徳雄,他:腎盂腎炎に併発した化膿性脊椎炎および腸腰筋膿瘍.西日泌尿 53:959-962,1991
3)Ponte CD and McDonald M:Septic discitis resulting from Escherichia coli urosepsis. J Fam Pract 34:767-771, 1992
4)会田育男,林浩一郎,和田野安良:化膿性脊椎炎の臨床的検討.整形外科 44:905-911,1993
5)Carragee EJ:Pyogenic vertebral osteomyelitis. J Bone Joint Surg 79-A:874-880, 1997
6)小久保朝朗,内田研造,久保田力,他:化膿性脊椎炎の診断と治療.整・災外 46:629-635,2003
7)石原 哲,出口 隆:重症感染症.臨泌 58:23-26,2004
8)村橋重樹,手塚雄介,濱田哲夫,他:化膿性脊椎炎・椎間板炎の起炎菌とその病理.医学検査 54:1187-1193,2005
掲載誌情報