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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻2号

2007年02月発行

症例

化膿性脊椎炎を併発した腎膿瘍

著者: 関田信之1 江越賢一1

所属機関: 1公立長生病院泌尿器科

ページ範囲:P.161 - P.164

文献概要

 症例は74歳,女性。発熱,右側腹部痛を主訴に来院し,腎盂腎炎の診断にて入院となった。保存的加療にて改善がみられない腎膿瘍と診断し,右腎摘除術を施行した。術後も発熱,疼痛が続き,腎摘後10日目に下肢の神経症状が出現した。脊椎疾患を疑いMRI検査を施行したところ,腰椎椎間板を中心に炎症所見を認め,化膿性脊椎炎と診断された。比較的稀な疾患であるが,尿路系疾患に併発することが多いとされており,泌尿器科医が十分に認識しておくべき疾患であると思われた。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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