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画像診断
経皮的腎瘻造設に伴う腰動脈損傷
著者: 栫井成彦1 岡田秀人2 太田章三1
所属機関: 1仙台赤十字病院泌尿器科 2仙台赤十字病院泌尿器科放射線科
ページ範囲:P.257 - P.259
文献購入ページに移動現病歴 2005年9月より進行性の結腸癌を加療中であった。2006年3月,結腸癌の進行による両側水腎症および急性腎後性腎不全に対する加療目的で入院となった。
臨床経過・画像所見 経皮的右腎瘻造設を試みたが,出血のために中止した。3日後に再造設を行い,12Frのマレコット型カテーテルを留置し,腎機能の改善を認めた。造設10日後に腎瘻の拡張を行い,16Frの腎盂バルーン型カテーテルを留置した。
拡張2日後に腎瘻カテーテル内および挿入部から大量の出血を認め,腎瘻カテーテルの牽引および挿入部の圧迫を行った。仮性動脈瘤もしくは腎動静脈瘻を疑い,右腎動脈造影を施行したところ,腎瘻カテーテルと重なる,軽度に拡張した弓状動脈を認めた(図1)。出血源と考えられ,1mm角のゼラチンスポンジによる塞栓を行った。
塞栓3日後,再出血が認められた。弓状動脈の再開通を疑い,コイルによる塞栓を行った。さらに,腎瘻カテーテル周囲を走行する右肋下動脈,右第二腰動脈,右第一腰動脈の造影を行ったところ,腎瘻カテーテル挿入部に一致する蔦状の第一腰動脈末梢枝が認められた(図2)。
この腰動脈が一連の大量出血の原因と考えられ,1mm角のゼラチンスポンジおよびコイルにて塞栓を施行した。塞栓後の腰動脈造影において,右下腹壁動脈から腰動脈へ逆流が認められた(図3)。
右外腸骨動脈の屈曲は強度であり,左大腿動脈経由で造影を施行していた。そのため,右下腹壁動脈にマイクロカテーテルを進めることは困難と考えられた。蔦状の腰動脈末梢枝は体表近くに存在していたため,経皮的な結紮法を試みたところ遮断可能であった。
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