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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法 Ⅰ.泌尿器科処置 【膀胱穿刺(膀胱瘻造設)】

1.骨盤骨折に伴う尿道損傷で,膀胱瘻を造設する必要がある患者です。現在,尿があまり溜まっていません。どうしたら安全に造設できるでしょうか。

著者: 石田俊哉1

所属機関: 1市立秋田総合病院泌尿器科

ページ範囲:P.20 - P.21

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骨盤骨折に尿道損傷を合併することは多々みられるケースである。尿道損傷の診断は外尿道口からの出血,会陰部の血腫,尿閉,尿道カテーテル挿入困難などにより推測される。尿道造影や軟性膀胱鏡の観察により確定診断がつく。以前は,尿道損傷に対して取り敢えず膀胱瘻を造設し,後日,尿道損傷への処置を行うという考え方もあったが,今はできるだけ初期治療として尿道カテーテルの留置を試みることが重要とされている。透視下にスタイレットを用いて尿道カテーテルを留置する,あるいは軟性膀胱鏡下にガイドワイヤーを通して,それを用いて先穴尿道カテーテルを留置するなどの試みが必要である。尿道損傷があっても尿道カテーテルさえ留置できれば問題はないのだが,設問の症例の場合は留置不可能で,膀胱瘻が必要となっていると判断される。

参考文献

1)長岡 明,冨田善彦:開放手術による膀胱瘻造設術.臨泌 59:375-379,2005
2)村井 勝:膀胱穿刺,膀胱瘻造設.救急医学 14:1238-1239,1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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