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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法 Ⅰ.泌尿器科処置 【膀胱洗浄】

8.膀胱カテーテルを留置している在宅ターミナルの患者です。週2~3回,定期的に膀胱洗浄を行っていましたが,感染の原因になるから洗浄してはいけないと指摘されました。どのように対処すればよいでしょうか。

著者: 石塚修1 西沢理1

所属機関: 1信州大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.38 - P.39

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在宅ターミナルの患者で尿道カテーテルで尿路管理を行っている状態である。長期に尿道カテーテルを留置することは,尿路感染,尿路結石症,尿道狭窄や損傷,膀胱機能の廃絶などの見地からは好ましくないのであるが1),終末期の身体負担の軽減目的で尿道カテーテル留置状態となっている状況と考えられる。

 閉鎖式持続導尿法で尿道カテーテルが留置してあるか,開放式で留置してあるか,詳細は不明である。仮に,閉鎖式と仮定すると,原則として膀胱洗浄を行う必要はなく,従来の開放式に比べると感染防御の面で優れている。しかしながら,2週間以上の長期になれば,感染が起こることは避けられない2)。また,感染に伴い尿のアルカリ化,沈殿物の増加(リン酸マグネシウムアンモニウムなど)がみられるようになり3),カテーテルが閉塞しやすくなる。閉塞しやすくなる状況もしくは閉塞の予防のために,週2~3回の定期的膀胱洗浄を行っていたが,感染の原因になるから洗浄してはいけないと指摘された状況である。

参考文献

1)高橋幸子:カテーテル留置時の合併症の予防と対処法を教えてください.後藤百万,渡邉順子(編):徹底ガイド 排尿ケア Q & A.総合医学社,pp114-115,2006
2)奥井識仁,奥井まちこ:膀胱留置カテーテル(経尿道的).在宅でみる排尿介護のコツ.南山堂,pp54-71,2002
3)内藤克輔:尿検査.西沢 理,松田正志(編):NEW泌尿器科学.南江堂,pp36-43,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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