icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法

Ⅰ.泌尿器科処置 【カテーテル留置(尿道留置)】

14.尿道カテーテルを留置している患者です。カテーテルの脇から尿が漏れています。カテーテルのサイズを太くすることは有効でしょうか。

著者: 滋野和志1

所属機関: 1島根大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.52 - P.53

文献概要

留置中の尿道カテーテル周囲から尿が漏れることは,ときに経験する状況である。この設問はカテーテルのサイズを太くすることにより,カテーテルと尿道の間にある隙間をなくして尿の漏れを防ぎ,またカテーテルの内腔が大きくなることによりドレナージがよくなり,カテーテル周囲からの尿漏れが減少することを期待しているものと思われる。

 尿道カテーテルの周囲から尿が漏れるときには,カテーテルの閉塞などによりドレナージが不良な場合と,ドレナージには問題がない場合がある。カテーテルが閉塞していないのに周囲より尿が漏れる場合には,膀胱の無抑制収縮やテネスムスなどの排尿筋過活動が考えられる。日常,問題となるのはこのような場合が多く,本設問もこのような状況下で発せられたものと想定される。排尿筋過活動はカテーテル留置そのものによる刺激が原因となり得るが,尿路感染や膀胱結石などの合併も考慮する必要がある。

参考文献

1)Kunin CM, McCormack RC:Prevention of catheter-induced urinary-tract infections by sterile closed drainage. N Engl J Med 274:1156-1161, 1966
2)Kumon H:Pathogenesis and management of bacterial biofilms in urinary tract. J Infect Chemother 2:18-28, 1996
3)Steere AC, Mallison GF:Handwashing practice for the prevention of nosocomial infections. Ann Intern Med 83:683-690, 1975
4)Britt MR, Garibaldi RA, Miller WA, et al:Antimicrobic prophylaxis for catheter-associated bacteriuria. Antimicrob Agents Chemother 11:240-243, 1977
5)Stolley JM, Buckwalter KC:Iatrogenesis in the elderly. J Gerontol Nurs 17:30-34, 1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら