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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法

Ⅰ.泌尿器科処置 【導尿】

19.球部尿道から膜様部尿道へのカテーテルの挿入が困難な患者です。カテーテルの種類,手技のコツなど,どのように対処すればよいでしょうか。

著者: 山口聡1 小山内裕昭1

所属機関: 1北海道社会事業協会富良野病院泌尿器科,尿路結石治療センター

ページ範囲:P.66 - P.68

文献概要

尿道留置カテーテルを挿入する際,球部尿道や膜様部尿道(括約筋部尿道)で抵抗を感じることが多い。球部尿道をスムーズにカテーテルを通過させるためには,(1)陰茎に十分なテンションを掛けることにより尿道の弛みを軽減させ,(2)振子部尿道から球部尿道,球部尿道から膜様部尿道の角度をなるべく鈍角化させるようなイメージでカテーテルを挿入することなどが肝要と思われる。また膜様部尿道では,患者をリラックスさせるような声掛け,例えば「ゆっくり深呼吸してください」「おなかの力を抜いてみましょう」などで,尿道括約筋の緊張状態を解きほぐすことにより,比較的容易にカテーテルを通過させることが可能である。

 尿道カテーテル挿入時に,最も留意しなければならない点は,尿道狭窄の存在と医原性の尿道損傷である。高度の尿道狭窄が存在していれば,カテーテルの挿入自体が不可能であるし,軽度の尿道狭窄の場合は,いろいろな工夫でカテーテルの挿入を試みなければならない。しかしその際は,当然のことながら,尿道狭窄をきたしている部位での尿道損傷のリスクがかなり高くなる。一方,尿道狭窄がなくても,乱暴な尿道カテーテルの挿入により容易に球部尿道には損傷が生じる。

参考文献

1)山口 聡:前立腺疾患のすべて.前立腺肥大症:尿道膀胱鏡.臨泌 57:67-72,2003
2)山口 聡:下肢拘縮による開脚不能患者の血膿尿の対処と処方.臨泌 59:24-28,2005
3)谷口成実,柿崎秀宏:排尿障害の外科的治療.神経内科 64:56-62,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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