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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法 Ⅰ.泌尿器科処置 【嵌頓包茎整復】

28.恥ずかしがって来院が遅れた思春期の嵌頓包茎の患者です。時間が経っていると整復しづらくなりますが,どのように対処すればよいでしょうか。

著者: 長田恵弘1 新田正広1 内田豊昭1 寺地敏郎2

所属機関: 1東海大学八王子病院泌尿器科 2東海大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.90 - P.92

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嵌頓包茎とは包茎の状態で無理に包皮を冠状溝より近位まで翻転させたため,狭い包皮輪により亀頭と包皮先端が絞扼され亀頭,包皮がともに腫脹し元に戻らなくなった状態をいう。

 出生時,陰茎は包茎により完全に覆われている。亀頭と包皮の癒着もほぼ全症例に認められ,包皮翻転が困難であることが一般的である。いわゆる真性包茎の状態である。乳児期から幼児期にかけて,亀頭表面と包皮内板の間に表皮の落屑が生じることにより次第に両者の癒着が剝がれる。3~4歳頃までに亀頭表面の大部分の癒着が消失する。しかしながら,小児期の包皮先端狭小部の口径には個人差があり,これが伸展性がある場合は用手的に亀頭を露出することができるが,硬く狭い狭小輪となっている場合は用手的に亀頭の露出は困難である。いずれの場合も,学童期までは自然な状態で亀頭はその全体が包皮に覆われている。露出した亀頭を男性の生殖活動に必要な身体機能的特徴とすれば,包茎は生殖活動が不要な小児期における亀頭保護の意義を持つことになる。第二次性徴の時期に入り亀頭や陰茎の急速な増大が起こると包皮の狭小輪は受動的に開大し,亀頭先端が次第に露出されるようになる。思春期以降は最終的に非勃起時においても亀頭が露出した状態が通常となる。

参考文献

1)浅沼 学,宍戸清一郎,佐藤 裕,他:泌尿器科領域―包茎の治療方針.小児外科 37:1447-1451,2005
2)岸 洋一:嵌頓包茎.臨外 59(増刊):248-249,2004
3)佐藤康次:嵌頓包茎.レジデントノート 7:461-462,2005
4)Craig T, Hyung K, Wikkam C:Dorsal band traction of paraphimosis. Urology 54:917-918, 1999
5)飯沼昌宏,羽渕友則:嵌頓包茎.臨泌 56(増刊):240-241,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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