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特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術 A.体外衝撃波砕石術(ESWL) 【体外衝撃波砕石術(ESWL)】
33.体外衝撃波砕石術(ESWL)を施行した腎結石の患者です。術後被膜下血腫を認めました。どのように対処すればよいでしょうか。
著者: 荒川孝1 藤崎明1 木村将貴1 服部一紀1
所属機関: 1国際医療福祉大学附属三田病院泌尿器科
ページ範囲:P.109 - P.112
文献概要
もしまだ破砕しきれていない結石が腎内にあった場合にどうするかであるが,筆者らにはその経験はないが,自身の考えでは再度のESWLは慎重にならざるをえない。筆者らの症例では,腎被膜下血腫が自然吸収されたあとの患側腎は萎縮腎となった(図1)。機能自体が相当低下するため,もしも再度出血を起こした場合には機能は廃絶する可能性が高くなる。しかし,Serraら3)は10,953症例に対し21,699回のESWLを施行し,うち31例に腎出血を起こし(0.28%),残石があった7例に対し再度ESWLを施行したが問題はなかったと報告している。このような報告はあるが,せいぜい血腫が自然吸収されたあとの,時間が経過した段階で判断される事柄であろう。
参考文献
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