icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法

Ⅱ.泌尿器科手術 A.体外衝撃波砕石術(ESWL) 【体外衝撃波砕石術(ESWL)】

34.術後しばらくして発熱,背部痛を認め,KUBを施行したところ,stone streetを認めました。どのように対処すればよいでしょうか。

著者: 荒川孝1 藤崎明1 木村将貴1 服部一紀1

所属機関: 1国際医療福祉大学附属三田病院泌尿器科

ページ範囲:P.113 - P.115

文献概要

尿路結石に対する体外衝撃波砕石術(ESWL)後に高頻度にみられる合併症の1つが,尿管内の破砕片の堆積形成(stone street:以下,SS)である。多くの泌尿器科医は20mm以上の比較的大きな結石に対してESWLを施行することで発症しやすくなることを経験的に知っている。また,それ以下の大きさの結石でも起こすことがある。それら20mm以下の小結石でSSを形成する因子としては,破砕片が粗い,尿管自体の問題(屈曲の存在,軽度狭窄:明らかな狭窄の存在はESWLの禁忌である)などが挙げられよう。

 SSは自然排石して自然解消する可能性もあるが,疼痛や発熱を伴う場合は,何らかの処置が必要となる。すでに発熱を伴っている症例では腎盂腎炎を発症しているわけであるから,経過を見過ぎると敗血症に進展することが懸念される。症状が軽度であっても,SSによる尿管閉塞は晩期において腎機能障害を引き起こす可能性がある。3~5cmのSSを確認したら,無症状であっても2週間以内にはKUBを撮り,SSの情況変化を確認すべきである。6cm以上であれば症状の有無にかからず,何らかの処置を考慮したほうが賢明であろう。

参考文献

1)荒川 孝:尿管ステント留置について:腎結石のESWL.Urology View 1:78-83,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら