icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法

Ⅱ.泌尿器科手術 B.尿路内視鏡手術 【経尿道的前立腺切除術(TURP)】

37.経尿道的前立腺切除術(TURP)を開始した患者です。開始直後に出血が激しくなり,視野が確保できなくなりました。どのように対処すればよいでしょうか。

著者: 松岡啓1

所属機関: 1久留米大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.122 - P.123

文献概要

経尿道的前立腺切除術(TURP)では腺腫の確実な切除と出血のコントロールが重要である。しかし,あまりに出血を気にしすぎて,腺腫からのそう強くない出血を止血しても同じ場所を切除してまた出血させることになる。腺腫からの出血はその程度により切除効率を十分に考慮して,出血に構わず数回切除したのちに止血することも大事である。設問の症例の場合は,開始直後であることより膀胱頸部からの出血が疑われる。また,視野の確保が困難になるような出血であり,視野が十分に取れずに切除を続けると合併症を引き起こすことになるので,確実な止血が必要である。

 膀胱頸部を切除する際には動脈性出血が多い。特に4時から5時,7時から8時にかけては前立腺動脈が関与している。また,尿道枝1)は膀胱頸部7時から11時と,1時から5時にかけて分布しているので,確実な処理が望まれる。

参考文献

1)Greene LF, Segura JW:Transurethral Surgery. WB Saunders, Philadelphia, pp145-149, 1979
2)伊藤泰二:前立腺肥大症に対するTURPの要点.メジカルビュー社,pp48-51,1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら