臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法

Ⅱ．泌尿器科手術 B．尿路内視鏡手術 【経尿道的尿管砕石術（TUL）】

50．経尿道的尿管砕石術（TUL）を施行中の患者です。U2からU3領域に数珠状に5cmにわたって結石が並んでいます。ガイドワイヤーは腎盂まで上がりましたが，尿管鏡は下端の結石から上方にはまったく上がりません。どのように対処すればよいでしょうか。

著者： 青山輝義¹ 寺井章人¹

所属機関： ¹倉敷中央病院泌尿器科

ページ範囲：P.154 - P.155

文献概要

比較的大きな腎尿管結石を体外衝撃波結石破砕術（ESWL）で破砕したあとに2～10％の症例にstone streetを形成するといわれ^1），サンゴ状結石をESWLで破砕したあとは41％に発生する^2）とされている。尿管狭窄が存在する場合も発生しやすい。Stone streetの60％程度は自然排石が期待できるため^3），当初は経過観察することが多いが，単腎，両側尿管結石，感染や自覚症状が強い場合は早急に治療を行う必要がある。

参考文献

1）Sulaiman MN, Buchholz NP, Clark PB：The role of ureteral stent placement in the prevention of steinstrasse. J Endourol 13：151-155, 1999

2）Wirth MP, Theiss M, Frohmuller HG：Primary extracorporeal shock wave lithotripsy of staghorn renal calculi. Urol Int 48：71, 1992

3）Fedullo LM, Pollack HM, Banner MP, et al：The development of steinstrasse after ESWL：Frequency, natural history and radiologic management. AJR Am J Roentgenol 151：1145-1147, 1988