文献詳細
特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術 C.腹腔鏡下手術 【腹腔鏡下副腎摘除術】
52.腹腔鏡下右副腎摘除術中の患者です。超音波凝固切開装置を使っている際にactive bladeを横隔膜に向けてしまい,横隔膜損傷をしたため肺が見えています。肺には損傷がありません。どのように対処すればよいでしょうか。
著者: 鶴信雄1 鈴木和雄1 伊原博行1
所属機関: 1新都市クリニックからだに優しい手術センター泌尿器科
ページ範囲:P.164 - P.165
文献概要
超音波凝固切開装置の利点は,把持鉗子や剝離鉗子のように使いながら,切開と凝固を同時に行えることである。しかしながら,アクティブブレード先端ではキャビテーションによる衝撃波が生じるため,接触すると容易に組織損傷を引き起こす。これを防止するために,アクティブブレードは常に視野のなかに置き,先端に損傷してはならない組織がないことを確認する必要がある2)。設問の症例では,右副腎上極もしくは外側の剝離中に上記のキャビテーション効果によって,予期せぬ横隔膜損傷をきたしたものの,胸腔深部には届いておらず,肺損傷は避けられたのであろう。
参考文献
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