文献詳細
特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術 C.腹腔鏡下手術 【腹腔鏡下腎摘除術】
53.径2cmの腎腫瘍に対して腹腔鏡下腎部分切除術を施行した患者です。術後3日目よりドレーンからの排液が急に増加しました。どうも尿瘻が発生したようです。ダブルJカテーテルを挿入しましたが排液の減少が少なく,ドレーンからの排液が止まりません。どのように対処すればよいでしょうか。
著者: 鶴信雄1 鈴木和雄1 伊原博行1
所属機関: 1新都市クリニックからだに優しい手術センター泌尿器科
ページ範囲:P.166 - P.167
文献概要
部分切除後に腎杯が開放している場合は,必ず針糸で縫合しなければならない。腎杯の開放を見落として縫合しなかったり,縫合が十分でなかったりした場合は,術後に尿瘻をきたす。設問の症例では部分切除の方法については述べられていないが,上記いずれかの原因によって尿瘻が生じた結果,ドレーンから尿が持続的に出ているものと思われる。
参考文献
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