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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法

Ⅱ.泌尿器科手術 D.開腹手術 ■副腎の手術 【副腎摘除術】

62.副腎摘除術を施行した褐色細胞腫の患者です。術後安定していた血圧が急激に下降してしまいました。どのように対処すればよいでしょうか。

著者: 小出卓生1

所属機関: 1大阪厚生年金病院泌尿器科

ページ範囲:P.190 - P.191

文献概要

褐色細胞腫の手術後に,安定していた循環動態が急激に血圧下降を示すことは通常経験しない。原因としては,(1)術前の循環血漿量の補正が不十分なものが術後少し遅れて血圧下降として現れるか,(2)心原性ショックのようなものが原因となり血圧下降を惹起するか,などであろう。ほかには,経験しないが(3)後出血なども考えておくべき事柄である。

 術前の循環血漿量の補正は最近ではα1ブロッカーの漸増投与などにより,術前に時間をかけて補正を行うことで,術中はともかく術後の安定期の血圧は守られる。この際,循環血漿量のみならず,貧血や低タンパクの是正も行われていることが重要である。

参考文献

1)松本明知,石原弘規,廣田和美:褐色細胞腫の麻酔.第2版.克誠堂出版,東京,1999
2)川喜多睦司,大口尚基,室田卓之,他:副腎摘除術.臨泌 56(増):267,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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