文献詳細
特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術 D.開腹手術 ■腎の手術 【腎移植術】
73.生体腎移植術を施行中,ドナー腎摘出術時に誤って尿管を途中で切断してしまいました。どのように対処すればよいでしょうか。
著者: 浅野友彦1
所属機関: 1防衛医科大学校泌尿器科
ページ範囲:P.225 - P.227
文献概要
ドナー腎摘出術の際に,誤って尿管を途中で切断してしまい,膀胱に吻合することが困難であるときには,一次的に移植尿管(腎盂)-自己尿管吻合術が行われる。吻合法としては,移植腎の尿管(腎盂)と自己尿管との端々吻合が行われることが多い。以前は,免疫抑制状態で閉塞腎を体内に残すことによる感染のリスクを回避するために,尿管を結紮した場合には固有腎の摘除が行われていた。しかしながら最近では,閉塞した自己腎を摘除しない場合でも閉塞腎に感染を起こすことは稀であり,逆に自己腎摘除術による合併症のほうが問題とされるようになり,特殊な場合を除いて自己腎摘除が行われることは少なくなってきている1,2)。
参考文献
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