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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法

Ⅱ.泌尿器科手術 D.開腹手術 ■尿路変向術 【皮膚造瘻術】

81.片腎に尿管皮膚瘻を置いた患者です。一時的にチューブレスに成功しましたが,外来通院中に,徐々に腎盂の拡張が認められました。血清クレアチニンは変化ありませんが,どの時点でカテーテルを留置したらよいか悩んでいます。どのように対処すればよいでしょうか。

著者: 平塚義治1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院泌尿器科

ページ範囲:P.242 - P.243

文献概要

尿管皮膚瘻術のチューブレス化に成功しても,経過観察していると水腎症が出現することがある。われわれの6か月以上経過観察できた74例の検討(平均観察期間45.3か月,範囲6~239か月,中央値33か月)では,チェーブレス成功後7例にストーマ狭窄・閉塞が起こり,狭窄発生の時期は術後22日から15か月以内であった。治療法は1例を除きストーマのメスによる切開で改善した1)。したがって,基本的には一度チューブレスに成功すれば水腎症が起こっても治療が可能で,カテーテルを入れないでよいと考えてよい。

参考文献

1)平塚義治:尿管皮膚瘻術.日泌尿会誌 76:131,2006
2)有吉朝美,平塚義治:術式別にみた術中・術後合併症の管理.皮膚造瘻術.臨泌 (増)55:146-149,2001
3)Hiratsuka Y, Ishii T, Taira H, et al:Simple correction of ureteral stomal stenosis for cutaneous uretero-stomy. Int J Urol 10:180-181, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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