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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法

Ⅱ.泌尿器科手術 D.開腹手術 ■尿路変向術 【回腸導管造設術】

85.回腸導管造設術後,尿管導管吻合不全で再吻合術を施行した患者です。その後,再度吻合不全を起こしました。どのように対処すればよいでしょうか。

著者: 山田泰之1

所属機関: 1愛知厚生連海南病院泌尿器科

ページ範囲:P.256 - P.257

文献概要

回腸導管造設術では尿管カテーテルを留置することが多い。ただし,位置が不適切であったり,途中で折れ曲がっていたり,固定の糸でカテーテル内腔が閉塞するくらい締められすぎたなどの理由でカテーテルが効いてないと,尿管導管吻合部の漏れが起こることがある。もちろん,吻合手技の問題や尿管断端の血流障害があっても漏れの原因になる。そして,これらによって尿管導管吻合部の吻合不全を起こす場合がある。

 吻合不全を起こした場合,尿量を減らすとか,カテーテルの位置調整でその部分をドライに保てるような処置ができれば保存的に治癒を期待してもよいが,それが無理であれば再手術するしかない。ただし,その際には癒着や尿管組織の脆弱化,さらに尿管の可動性も悪くなっていれば容易ではない。そして,尿管断端の血流が悪い場合は再手術しても再び吻合不全を起こしやすい。こうなった場合,もう同様の手術は考えるべきでなく,ほかの手段を考えなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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