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特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術 D.開腹手術 ■尿失禁の手術 【尿失禁の手術】
90.TVT手術を行った患者です。手術翌日,CTにて骨盤内に大きな血腫を認めました。ヘモグロビン濃度が3低下しましたが,現在は新たな出血はないようです。ただし,膀胱が偏位してしまい,排尿障害が出現してきました。どのように対処すればよいでしょうか。
著者: 加藤久美子1 鈴木弘一2 村瀬達良2 鈴木省治3
所属機関: 1名古屋第一赤十字病院女性泌尿器科 2名古屋第一赤十字病院泌尿器科 3名古屋第一赤十字病院産婦人科
ページ範囲:P.276 - P.278
文献概要
TVT手術の施行数は世界で70万例を超え,重篤な合併症は少ないが,血管損傷1例,腸管損傷6例の死亡例が報告されている(Johnson & Johnson)。恥骨後式にニードルをレチウス腔に通す盲目的(blind)操作が最大の難所といえよう。TVT手術による骨盤内血腫の頻度はフィンランド全国調査では1.9%6)で,本邦では3例の症例報告があるが7~9),未報告のもの,無症候の軽症例を含めればもっとあると思われる。大半は保存的に対処できるが,開腹,塞栓術を必要とした症例も一部報告されている6,8,9)。
参考文献
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