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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法

Ⅱ.泌尿器科手術 D.開腹手術 ■前立腺の手術 【前立腺全摘除術】

94.前立腺全摘除術を施行中の患者です。恥骨の内面が突出していて前立腺尖部の視野が不良です。手術操作にもじゃまになります。どのように対処すればよいでしょうか。

著者: 斎藤誠一1

所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.291 - P.294

文献概要

前立腺尖部の処理は,前立腺全摘除術の最も重要なポイントであり1,2),恥骨結合の突出により同部が視認しにくいことや,尖部の操作性に影響が及ぶ可能性を極力排除する必要がある。しかしながら,恥骨結合の突出は術前の画像では容易に評価できず,しばしば術中に判明する3)。以前は,前立腺尖部の処理のため恥骨切除が行われたことがあるが,現在では恥骨切除が必要とされることはなく,代わりに電気メスで恥骨結合の突出を切除する,あるいは蒸散させる方法が取られるようになっている3,4)。当施設でも電気メスで切除する方法を選択しているが,そのほかに尖部をより見やすくする工夫や考え方について述べる。

参考文献

1)荒井陽一:恥骨後式神経温存前立腺全摘術―逆行性神経温存術式.Urologic Surgeryシリーズ6.pp63-73,2001
2)荒井陽一:前立腺全摘術:尖部処理と神経温存手技.Audio-Visual Journal of JUA 12:12-17,2006
3)Kim SC, Weiser AC, Nadler RB:Resection of a posterior pubic symphyseal protuberance using the electrocautery device. Urology 55:586-587, 2000
4)Robertson KⅢ, Verghese M, Ghasemian R, et al:A novel technique of exposure during radical retropubic prostatectomy. J Urol 167:2123-2124, 2002
5)宍戸仙太郎,加藤哲郎:経恥骨式広汎性前立腺全摘術.臨泌 24:121-128,1970
6)前田 修:恥骨後式神経温存前立腺全摘術―順行性前立腺全摘術.Urologic Surgeryシリーズ6.メジカルビュー社,pp74-81,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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