臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法

Ⅱ．泌尿器科手術 D．開腹手術 ■前立腺の手術 【前立腺全摘除術】

97．恥骨後式前立腺摘除術後10日目の患者です。尿道カテーテルを抜去しようとしましたが，抵抗があり抜けません。膀胱尿道吻合糸がカテーテルに絡まっていることが考えられます。どのように対処すればよいでしょうか。

著者： 高橋義人¹ 谷口光宏¹

所属機関： ¹岐阜県総合医療センター泌尿器科

ページ範囲：P.302 - P.304

文献概要

前立腺全摘除術後の術後早期の管理は，カテーテル抜去で終る。排尿状態の経過観察，癌としての経過観察は長期にわたるが，入院治療としての区切りである。カテーテルが抜けないとその先に進めない。患者からすれば，前立腺全摘除術という手術自体の評価を下げる状況である。

参考文献

1）大堀　理，秦野　直：早期前立腺癌の根治的前立腺全摘除術．ベクトルコア社，東京，pp84-98，2005

2）Eastham JA, Scardino PT：Radical prostatectomy. In：Walsh PC, et al（eds）：Campbell's Urology. 8th ed. Saunders, New York, pp3080-3106, 2002

3）Walsh PC：Anatomical radical prostatectomy. In：Walsh PC, et al（eds）：Campbell's Urology. 8th ed. Saunders, New York, pp3107-3129, 2002

4）荒井陽一：恥骨後式神経温存前立腺全摘除術．荒井陽一，村井勝（編）：実践Urologic Surgery No. 5．前立腺の手術．メジカルビュー社，東京，pp63-73，2001