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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法 Ⅱ.泌尿器科手術 D.開腹手術 ■陰茎の手術 【陰茎全摘除術】

101.陰茎全摘除術を施行中の患者です。術中,出血のコントロールが困難になり,オリエンテーションがつきにくくなりました。どのように対処すればよいでしょうか。

著者: 中川昌之1

所属機関: 1鹿児島大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.315 - P.317

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病理組織結果から陰茎癌が確定し手術適応と判断されると,陰茎部分切除術あるいは陰茎全摘除術を行い,必要に応じて鼠径リンパ節郭清術を行うこととなる。前者では陰茎根部を駆血することで術中の出血量は減らせるが,後者では駆血帯が使用できないため術中に陰茎海綿体の剝離が不十分のまま陰茎海綿体脚部付近を切断すると出血部が引き込まれてわかりにくくなり,止血操作が困難となる。設問の状況はこのような場合と考えられる。

参考文献

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4)川原元司,中川昌之:陰茎部分切除術・陰茎全摘除術・鼠径リンパ節郭清術.臨泌 58(増):169-180,2004
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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