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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法 Ⅱ.泌尿器科手術 D.開腹手術 ■陰囊内臓器の手術 【高位精巣摘除術】

103.高位精巣摘除術を施行中の患者です。精索を切断したあとに結紮糸が緩んでしまい出血を認めます。どのように対処すればよいでしょうか。

著者: 山本泰久1

所属機関: 1山本泌尿器クリニック

ページ範囲:P.320 - P.322

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高位精巣摘除術は精巣の悪性腫瘍に対して行われるため,その腫瘍細胞の播種を防ぐ目的で精索をペアンなどで二重に把持しているはずである。したがって,結紮糸が緩み出血する可能性は,(1)安易に操作をしてしまい,十分に力を加えて糸を結べなかったか,(2)精索全体に糸が掛かっていなかったか,のどちらかである。

 高位で精索を切断するために,切断すると精索は“スッ”と内鼠径輪のなかに吸い込まれることがある。このように後腹膜腔に入ってしまった精索断端を引き出すのは困難であることが多い。したがって,注意深く手術を進めることがきわめて重要である。

参考文献

1)Hinman F:Radical orchiectomy. In:Atlas of Urologic Surgery. Saunders, New York, pp280-285, 1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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