文献詳細
特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術 E.小児の手術 【尿道下裂形成術】
110.尿道下裂形成術を施行した患者です。術後,陰茎皮下の出血と浮腫のため陰茎全体が大きく腫れ上がってしまいました。どのように対処すればよいでしょうか。
著者: 山口孝則1
所属機関: 1福岡市立こども病院・感染症センター泌尿器科
ページ範囲:P.342 - P.344
文献概要
筆者が二十数年前に二期的に尿道下裂形成術から施行した当初1)は,術後,簡単なガーゼで陰茎を巻くのみで対応していたが,手術翌日に陰茎皮下の広範な出血と浮腫で陰茎が腫れ上がり,患児や家族に相当の苦痛を与えた苦い経験を覚えている。それ以降,尿道下裂形成術の手術成績に術後管理がきわめて大切であることを思い知らされ,尿道下裂の手術を担う者にとっては,第一に術後の陰茎浮腫を防ぐ工夫の必要性に迫られることになった。すなわち,尿道下裂形成術後に陰茎皮下出血や浮腫で陰茎が極度に腫れ上がること自体,手術の失敗につながるものであり,このトラブルにどう対応するのかではなく,どう予防するかが問題であることを強調したい。
参考文献
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