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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科61巻4号

2007年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法

Ⅱ.泌尿器科手術 E.小児の手術 【尿管膀胱新吻合術】

111.膀胱尿管逆流症のため尿管膀胱新吻合術を行った患者です。術後,高度の尿管閉塞がみられます。どのように対処すればよいでしょうか。

著者: 山口孝則1

所属機関: 1福岡市立こども病院・感染症センター泌尿器科

ページ範囲:P.345 - P.347

文献概要

膀胱尿管逆流症(vesicoureteral reflux:VUR)を含めた尿管膀胱移行部狭窄に対する尿管膀胱新吻合術は,泌尿器科領域において日常よく行われる手術法である。通常,尿管の拡張のほとんどない症例に対するこうした逆流防止術は確立された術式があり,ほぼ合併症もなく安全に行われる。

 一方で尿管瘤,尿管異所開口などの尿管下端部異常や巨大尿管など,術前より尿管の拡張の高度な症例に対する尿管膀胱新吻合術は,手術術式の選択や適応,さらに手術そのものに問題があると吻合部の通過障害が生じ,術前よりも水腎水尿管症の悪化をきたす。

参考文献

1)島田憲次:先天性尿管狭窄.卒後・生涯教育テキスト.第6巻.日本泌尿器科学会,pp40-48,2001
2)大田黒和生:逆流防止術後の尿管狭窄.臨泌 44:295-303,1990
3)山口孝則,長田幸夫,糸井達典,他:原発性巨大尿管に対する治療上の問題点.西日泌尿 57:154-157,1995
4)谷風三郎:先天性水腎症,原発性巨大尿管における術後合併症と再手術.小外 24:639-643,1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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