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交見室
小野芳啓先生の「交見室」論文(臨泌62:729,2008)につきまして
著者: 堀淳一1 山口聡1
所属機関: 1北海道社会事業協会富良野病院泌尿器科
ページ範囲:P.826 - P.826
文献購入ページに移動当科では,2007年度に143例の経直腸的前立腺生検が行われ,生検後の有熱性炎症(尿路感染症と考えられたもの)は,5例(3.5%)に認められています。うち1例(0.7%)が重症例(本例)でした。本例はlow risk症例でしたが,抗菌剤の予防投与にもかかわらず,ESBL産生大腸菌という多剤耐性菌による敗血症に至りました。すなわち重症化の予見が困難な症例も存在するというのが実情ですが,最近では,前立腺生検後に38℃以上の発熱が認められた場合は,すみやかにTAZ/PIPCのようなβラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系抗菌薬の投与に切り替えています。その結果,このような重症例は経験しておりません。
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