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尿管腫瘍と鑑別困難であった非特異的限局性尿管炎
著者: 西田智保1 島本憲司1 横山雅好1
所属機関: 1愛媛大学大学院医学系研究科泌尿器制御学分野
ページ範囲:P.1092 - P.1095
文献購入ページに移動主 訴 右背部痛,血尿。
既往歴 2006年6月に急性心筋梗塞を発症し,左前下行枝にステントを留置。同年8月,右冠動脈にもステント留置。2型糖尿病の合併あり。
家族歴 特記すべきことなし。
現病歴 2007年4月,左背部痛,38℃の発熱と肉眼的血尿が出現し,他院でCTを撮影したところ,左水腎尿管症を認めた。逆行性尿路造影検査(RP)で左尿管腫瘍を強く疑う所見であった。また,尿細胞診はClass Ⅲであった。抗菌剤投与により症状は軽快したが,左尿管腫瘍に対する加療の目的で本院当科を紹介された。
入院時現症 体格,栄養は中等度。左下腿に戦争時の銃創があり,軽度の歩行障害あり。直腸診で前立腺は軽度肥大し,両葉に硬結を触知した。
入院時検査所見 血液検査:FBS 201mg/d
入院後経過 RPで左U3に陰影欠損を認めた(図1)。腹部造影CTでは左水腎症を認めた(図2)。左尿管は全周性の壁肥厚と軽度造影効果を認めた(図3)。リンパ節腫脹は認めなかった。骨シンチグラムで骨転移は認めなかった。心臓ステントを留置しており,MRIは施行せず。以上より,左尿管腫瘍,前立腺触診所見およびPSA高値より前立腺癌を疑った。
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