文献詳細
綜説
文献概要
要旨 小切開泌尿器科手術を成功させる鍵は,正確な剝離面の同定にある。経腰的根治腎摘の場合は,腎臓周囲脂肪と外側円錐筋膜ないし腹膜との間を確実に把握して処理を進めれば,効率的かつ安全に処理を進めることができる。そのためには,横筋筋膜,腹膜前脂肪(flank pad),外側円錐筋膜と続く層構造を十分に理解する必要がある。また腎門部の展開では,下横隔動脈などの周辺の構造を最大限に利用して腎動静脈の位置を見きわめると,操作が容易となる。剝離の指標を使いこなせるようになれば,大きな皮膚切開は必要ないと自然に感じるようになると思われる。
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