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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科62巻2号

2008年02月発行

文献概要

原著

尿管結石の閉塞性腎盂腎炎における迅速ドレナージの有効性

著者: 仲山實1 山城清治2 嶺井定一3 向山秀樹4

所属機関: 1与那原中央病院泌尿器科 2那覇市立病院泌尿器科 3嶺井医院泌尿器科 4南部徳洲会病院泌尿器科

ページ範囲:P.129 - P.132

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 尿管結石の閉塞性腎盂腎炎に対し,抗生剤の治療を行い,敗血症が重症化する症例に二次的にドレナージを行った南部徳洲会病院の9例と,閉塞解除を第一に,迅速にドレナージを行う方針で治療した那覇市立病院の34例の治療成績を検討した。結石の位置,大きさ,敗血症ショックの頻度は,両群に差はなかったが,二次的にドレナージを行った群では,1例が重症の播種性血管内凝固症候群(DIC)になった。一方,迅速にドレナージを行う方針をとった群では,重症のDICはなく,発熱期間の短縮,使用抗生剤の減少がみられた。尿管結石の閉塞性腎盂腎炎において,迅速ドレナージは選択すべき治療方針である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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