icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科62巻4号

2008年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション 1.尿路・性器の炎症性疾患 ■非特異性感染症 【精索炎】

12.左精索の腫脹と硬結を訴え,精索炎を疑う患者です。対処と処方について教えてください。

著者: 野田賢治郎1

所属機関: 1東京医科大学八王子医療センター泌尿器科

ページ範囲:P.48 - P.50

文献購入ページに移動
1 診療の概要

 鼠径部の異常を主訴として受診する患者が病院の総合案内受付などで病状を説明する際の「鼠径部」の表現は,「足のつけね」「陰部」「お腹の下のほう」などさまざまである。その表現を基に,泌尿器科もしくは消化器科などの診療科へ振り分けているのが現状であろう。泌尿器科医が鼠径部の腫脹を訴える患者の診療に際してまず行うべきことは,鼠径ヘルニアの除外である。鼠径ヘルニアと診断された場合は,消化器科へ依頼する。鼠径部に腫脹・腫瘤を認める原因疾患を表1に示す。検査は原因疾患の鑑別を念頭に置いて構築する。原因疾患が同定されたら,それに準じた適切な治療を行う。

参考文献

1)Johnson WD, Johnson CW, Lowe FC, et al:Tuberculosis and parasitic diseases of the genitourinary system. In:Campbell's Urology. 8th ed. Saunders, Philadelphia, pp743-796, 2002
2)西川信之,斎藤亮一,長船 崇,他:精索結核の1例.泌外 20:695-697,2007
3)吉永敦史,一柳暢孝,大野玲奈,他:精索結核の一例.泌尿紀要 49:361-363,2003
4)大矢正巳:精索結核の一例.臨泌 31:559-561,1977
5)Mete C, Severin L, Kurt GN, et al:EAU guidelines for the management of genitourinary tuberculosis. Eur Urol 48:353-362, 2005
6)桑原守正,松下和弘,中村晃二,他:精索の閉塞性血栓性血管炎の1例.泌尿紀要 39:369-372,1993
7)Blitzler PH, Dosoretz DE, Proppe KH, et al:Treatment of malignant tumor of spermatic cord:a study of 10 cases and review of the literature. J Urol 126:614-616, 1981
8)永田大介,藤田圭治,佐々木昌一,他:精巣上体転移を来たした腎盂腫瘍.臨泌 52:961-963,1998
9)瀬尾一史,加登本幸久,中津 博,他:胃癌を原発とする転移性副睾丸腫瘍の一例.西日泌尿 49:133-135,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら