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1.尿路・性器の炎症性疾患 ■非特異性感染症 【ペロニー病(形成性陰茎硬化症)】
19.陰茎の疼痛を訴え形成性陰茎硬化症が疑われる患者です。対処と処方について教えてください。
著者: 永尾光一1 小林秀行1 原啓1 石井延久1
所属機関: 1東邦大学医学部泌尿器科
ページ範囲:P.68 - P.70
文献概要
形成性陰茎硬化症(ペロニー病)は,フランスのFrançois Gigot la Peyronieが1743年に最初に報告した疾患である。発音は,ペイロニーではなくペロニーである。ペロニー病は,陰茎海綿体白膜に線維性硬結が形成される良性の疾患であり,勃起時疼痛,硬結の触知,陰茎彎曲,勃起不全などになり,性交障害の原因となる。
発生頻度は,2000年ドイツ人男性8,000人の一般人調査(回収率55.4%,4,432人,平均年齢57歳)で,発生頻度(硬結の触知)3.2%,年齢別では,30歳代1.5%,40歳代3.0%,50歳代3.0%,60歳代4.0%,70歳以上6.5%であり,頻度の高い疾患である。訴えとしては,陰茎彎曲84%,勃起時疼痛46.5%,勃起障害40.8%,その他1.04%である1)。本邦での統計報告はないが,発生頻度は,3.2%より低いと思われる。また,手足の拘縮(Dupuitren's contracture)を併発することがある。
参考文献
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