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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科62巻4号

2008年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション 2.神経因性膀胱障害と尿失禁 ■神経因性膀胱障害 【排尿障害】

36.排尿障害で受診した糖尿病患者です。前立腺肥大と巨大な膀胱憩室を合併しています。対処と処方について教えてください。

著者: 中平洋子1

所属機関: 1埼玉医科大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.122 - P.123

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1 診療の概要

 糖尿病,前立腺肥大,膀胱憩室は,いずれも下部尿路症状(lower urinary tract symptoms:LUTS)の原因となる。このような複数の病態が混在している場合には,対処を考慮するにあたって,それぞれの病態の評価が必要である。膀胱憩室は,何らかの理由により膀胱壁が限局性に脆弱化し,この部分がヘルニアのように突出したものである。前立腺が大きく,尿道閉塞の原因になっている場合には,このことが膀胱憩室を形成した可能性がある。また,設問[35]で述べたように,糖尿病により神経因性膀胱をきたしているとすれば,膀胱収縮力が障害されており,尿道閉塞を治療しても排尿状態の改善が得られない。このように,それぞれの病態を評価して,排尿障害を治療することが重要である。

参考文献

1)泌尿器科領域の治療標準化に関する研究班(編):EBMに基づく前立腺肥大症診療ガイドライン.じほう,東京,2001
2)Bladder diverticula. In:Campbell-Walsh Urology. 9th ed. edited by Walsh PC, et al. WB Saunders, Philadelphia, pp2361-2372, 2007
3)金子茂男,他:ウロダイナミクス.吉田 修(監):日常診療のための泌尿器科診断学.インターメディカ,東京,pp92-109,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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