文献詳細
文献概要
特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション 2.神経因性膀胱障害と尿失禁 ■神経因性膀胱障害 【排尿障害】
36.排尿障害で受診した糖尿病患者です。前立腺肥大と巨大な膀胱憩室を合併しています。対処と処方について教えてください。
著者: 中平洋子1
所属機関: 1埼玉医科大学医学部泌尿器科
ページ範囲:P.122 - P.123
文献購入ページに移動糖尿病,前立腺肥大,膀胱憩室は,いずれも下部尿路症状(lower urinary tract symptoms:LUTS)の原因となる。このような複数の病態が混在している場合には,対処を考慮するにあたって,それぞれの病態の評価が必要である。膀胱憩室は,何らかの理由により膀胱壁が限局性に脆弱化し,この部分がヘルニアのように突出したものである。前立腺が大きく,尿道閉塞の原因になっている場合には,このことが膀胱憩室を形成した可能性がある。また,設問[35]で述べたように,糖尿病により神経因性膀胱をきたしているとすれば,膀胱収縮力が障害されており,尿道閉塞を治療しても排尿状態の改善が得られない。このように,それぞれの病態を評価して,排尿障害を治療することが重要である。
参考文献
掲載誌情報