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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科62巻4号

2008年04月発行

文献概要

特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション 4.尿路結石 【腎臓(腎)結石】

50.高カルシウム尿症で腎に結石が多発している患者です。結石の予防法について教えてください。

著者: 飯田如1 宮澤克人2 森山学2 鈴木孝治2

所属機関: 1飯田泌尿器科医院 2金沢医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.172 - P.175

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1 診療の概要

 再発性(あるいは多発性)腎結石患者の原因疾患として,高カルシウム尿症は重要な病態の1つである。高カルシウム尿症は,一般に男性で300mg/day,女性で250mg/day以上と定義されている。一方,わが国では,これよりやや低く,一般的に150~288mg/dayとされている1)。高カルシウム尿症はさまざまな病態で起こり得るが,特に特発性高カルシウム尿症,腎尿細管性アシドーシス,原発性上皮小体機能亢進症,海綿腎,クッシング症候群などが重要である。

 特発性高カルシウム尿症は代謝異常の中で最も頻度の高い疾患で,腸管吸収型(カルシウムの過剰摂取もしくはビタミンD過剰によるカルシウム吸収亢進による),腎漏出型(腎尿細管におけるカルシウムの再吸収障害),骨吸収型(骨からのカルシウム動員の増加により血清カルシウム濃度が上昇,腎からのカルシウム濾過量が増加)の3型に分類される2)

参考文献

1)北村唯一,平野美和,上田大介,他:カルシウム含有上部尿路結石患者の尿中カルシウム排泄量に関して―日本における特発性高カルシウム尿症の境界値設定の試み.日泌尿会誌 77:1831-1839,1986
2)Pak CY, Oata M, Lawrence EC, et al:The hypercalciurias:Causes, parathyroid functions and idiopathic criteria. J Clin Invest 54:387-400, 1974
3)Kohri K, Kataoka K, Iguchi M, et al:Oral calcium tolerance test and serum calcitonin in calcium stone formers. Urol Res 11:33-37, 1983
4)杉野信博:Renal tubular acidosisをめぐる諸問題について.臨床成人病 19:105-130,1989
5)Yagisawa T, Kobayashi C, Hayashi T, et al:Contributory metabolic factors in the development of nephrolithiasis in patients with medullary sponge kidney. Am J Kidney Dis 37:1140-1143, 2001
6)Ettinger B, Citron JT, Livermore B, et al:Chlorthalidone reduces calcium oxalate calculous recurrence but magnesium hydroxide does not. J Urol 139:679-684, 1988
7)Glassberg KI:Medullary sponge kidney. In:Campbell-Walsh Urology. 9th ed. edited by AJ Wein, LR Kavoussi, AC Novick, et al. Saunders, Philadelphia, pp3348-3350, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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