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特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション
5.腫瘍(外来化学療法) 【前立腺癌】
61.内分泌療法中に前立腺癌が再燃した患者です。外来通院で行える治療法について教えてください。
著者: 賀本敏行1
所属機関: 1京都大学医学部泌尿器科
ページ範囲:P.210 - P.212
文献概要
早期前立腺癌に対しては種々の治療方法が登場してきたが,転移を有する進行期の前立腺癌に対しては,今なお内分泌療法が治療の中心的役割を担っている。以前の内分泌療法は,外科的去勢術あるいはホンバン®などの,基本的にはアンドロゲン除去療法単独が中心であり,治療中に排尿障害や血尿,骨痛など臨床的に「再燃」した場合には,ほぼホルモン療法不応性前立腺癌(hormone refractory prostate cancer:HRPC)と考えられていた。すなわち当時(1980年代後半)は,去勢術などの一次ホルモン療法の効果が十分でなくなる「再燃」はアンドロゲン非依存性ホルモン非感受性癌に分類され,再燃とHRPCがほとんど同義であったわけである(図1)1)。
しかし今日では,オダイン®やカソデックス®といった非ステロイド性抗アンドロゲン剤が登場することで,一次maximum androgen blockade(MAB)療法後の再燃に対して,抗アンドロゲン剤除去症候群(antiandrogen withdrawal syndrome:AWS)や抗アンドロゲン剤交替療法(以下,交替療法)といった,二次,三次のホルモン療法が少なからず効果を示すことが明らかとなった。すなわち,その間は「アンドロゲン非依存性ホルモン感受性癌」という分類にあって(図1),そのつど再燃を繰り返すことになったのである。
参考文献
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