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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科62巻4号

2008年04月発行

特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション

5.腫瘍(外来化学療法) 【癌性疼痛】

66.癌性疼痛をきたした患者です。癌性疼痛に対する標準的な薬物療法について教えてください。

著者: 野口満1

所属機関: 1長崎大学医学部・歯学部附属病院泌尿器科

ページ範囲:P.227 - P.229

文献概要

1 診療の概要

 癌治療において緩和医療は,いまや必須で重要な治療であることは周知のとおりで,その治療は終末期に限定されることなく,癌治療と並行して行われなければならない。現在,多くの施設に緩和医療チームが結成されていると思われるが,癌治療を行うものは,その基本的治療を理解しておかなければならない。治療を行うにあたり,まず患者の疼痛の状態を把握することから始まる。痛みの性状,部位,強さのほか,痛みの誘因となること,痛みが日常生活や精神的な面にどのように影響しているかも把握する。

 癌性疼痛は体性痛,内臓痛,神経因性疼痛の3つのタイプに分類される。体性痛は,骨転移による痛みが代表的で,痛みは限局し,体動により痛みが増強する。内臓痛は腫瘍が臓器へ浸潤したために起こり,痛みの局在は不明瞭で,鈍い痛みを広範囲に自覚する。嘔気,発汗など自律神経症状を伴うことも多く,また腫瘍とかけ離れた部位で表在性の痛み(関連痛)を訴えることもある。神経因性疼痛は腫瘍が中枢・末鞘神経に直接浸潤して起こる痛みで,“刺すような痛み”,“電気が走るような痛み”,“しびれるような痛み”などと,患者は表現することが多い。

参考文献

1)世界保健機構(編),武田文和(訳):がんの痛みからの解放―WHO方式がん疼痛治療法.金原出版,東京,1987
2)Walsh TD:Prevention of opioid side effects. J Pain Symptom Manage 5:362-367, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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